運命の鐘が鳴る
8月
国の小中高が夏休みに入り、
観光地やショツピングセンターは
子供の元気な姿が見えていた。
そんな中、空港にも子供達のはしゃぐ声と姿が有る中
は家族3人で空港にいた。
大きな荷物を預け、後は飛行機に乗り込むだけだった。
「何か困った事が起こったらスチュワーデスさんに言うのよ」
「うん!」
「飛行機が東京に着いたら、預けた荷物を取ってこの券を
出口にいるお姉さんに見せるのよ」
「うん」
「まったく、功も将も空港に迎えにこないなんてどういう事なんだ」
心配しながらに話す母親の声と元気良く返事を返す声を
不機嫌な声がさえぎる。
「大丈夫だよ。一人でモノレールにも地下鉄にも乗れるもん。
それに駅からの地図があるから迷わずに着くよ」
「そうか?」
「うん!」
心配でならない父親を笑顔といつもより大きな声で宥め
母から空港券を貰う。
出立の時間が迫ってきていた。
ここで両親と別れ独りで席まで行かなければならない。
緊張と不安が出てくる。
けれと、2人の兄に会える嬉しさも出てくる。
だいじょうぶ・・大丈夫。
心の中で繰り返し、言い聞かせ独り席へと向かう。
途中、機内持ち込み検査で止まっている時に後ろを振り向くと
両親が優しく微笑みながら手を振ってくれた。
検査機を通ったカバンを貰い、両親に大きく手を振り
機内に入って行く。
飛行機が地上から空飛び立ち、揺れがなくなると
スチュワーデスさんが飲み物と
「耳が痛くなるからコレを舐めてね」
と飴をくれた。
直ぐに貰った飴を舐め、カバンの中から本を取り出し
読み出す。
本に集中していたのか、アッという間に東京に着き
空から地上に降り立つ。
機内から降り、コンベアーに乗せられ回っている荷物を
取り、母親から受け取った荷物の半券を渡し、空港から
モノレールに乗る。
ココまでは何事もなかったが次の地下鉄に問題があった。
線から線へと乗り換えがあった。
解らない!!
どの線に乗れば早く短時間に着くのかが解らなかった。
困って、立ち止まっているといきなり額に痛みが走った。
「あぁ、すまない。大丈夫かい?」
痛みに耐えながら額を押さえていると低い声が聞こえ
額を押さえたまま、顔を上げると父親より少し若めな男性が
心配そうに見ていた。
「大丈夫です。ごめんなさい」
返事を聞くと安心したのかその場を立ち去ろうとするが
が慌てて声をかけた。
「すいません!桜上水にはどうやって行けばいいのですか?」
カバンを抱え直しながら振り返った。
「君は桜上水に行きたいのか?
ココは線が違うな。左にある階段を上り、
来た電車に乗れば乗り換えなしで行ける」
3番と書いてある看板を指さしながら教えた。
「乗り換えなしで行けるんですか?」
考えていた事とは違う言葉に聞き返す
「そうだ」
頷いてくれている後ろでは桐原監督と呼ぶ声がかかる。
「分かりました。ありがとうございました」
お礼と共に頭を下げた。
お互いその場を離れ、は3番線に向かった。
親切な桐原監督さんに感謝しながらホームに入ってきた
電車に乗り込み、兄達がいる場所へと急ぐ。